菊 お花

長持ちといえば菊

花持ちも良く、邪気を払う効果もあるとされていることから仏花(お供え花)としてもよく使われる菊。

日本には奈良時代に中国から入ってきたとされています。この頃根付いたキク類を一般的に和菊、ヨーロッパで品種改良されたものを洋菊と呼びます。

和菊と洋菊

菊といえば葬儀のイメージが強い方も多いかもしれませんが、最近はかわいい品種の菊も多く生産されており、ブライダルの場面でも使用されることが増えてきました。

大雑把な分類としては、大輪菊(大菊)や小菊と呼ばれるものが和菊、SPマムやディスバッドマムと呼ばれるものが洋菊となります。

国内生産1位

色々な品種がある菊類ですが、国内の花卉生産の約30%を占め、断トツ1位となっています。

ちなみに生産2位のユリの3倍の生産額となっているほど、圧倒的に生産されています。

菊花紋書

日本では天皇(皇室)の紋としても使用される菊の花。

実は古くは蓮の花を紋として使用することが多かったのですが、鎌倉時代の後鳥羽上皇が菊を好み自らの印として使用し始め、その後の天皇にも慣例的に継承されていくうちに、皇室の紋として定着したとされています。

重陽の節句(菊の節句)

中国では古来より奇数のことを”陽数”と呼び、縁起のいい数としてきました。

その中でも最も大きい”9”の陽数が重なる9月9日を”重陽の節句”として無病息災等を祝ってきました。

重陽の節句では、邪気を払う効果があるとされる菊を鑑賞したり、菊の花を浮かべた菊酒を楽しみ不老長寿や無病息災を願ったとされています。

また、ちょうど重陽の節句の頃(旧暦9月9日は現在の10月中旬)に菊が見頃をむかえることも相まって、”菊の節句”とも呼ばれます。

菊をさらに長持ちさせるコツ

こまめな水替え

菊は水を汚しやすいお花の1つです。水が汚れていると、バクテリアが繁殖していて、茎の道管をつまらせたり、細胞を壊してしまいます。

これがお花まで水を吸い上げるのを邪魔してしまうので、萎れてしまいやすくなってしまいます。

1日1回を目安にお水を取り替えてあげましょう。この際に花瓶は食器用洗剤などでしっかり除菌洗浄し、茎の水につく部分を約1cm程切り(切り戻し)ましょう。詰まってしまった茎の断面を除去し新鮮な断面にしてあげることで、お水を吸い上げやすくなります。

切花栄養剤を使う

お花は咲く時にエネルギーをたくさん使います。根がついた状態であれば土から栄養を補給したり、光合成により自身で栄養を生成しますが、切花の場合は消費するエネルギーの方が多いので栄養を補ってあげる必要があります。

そこで使用するのが切花栄養剤です。

特に大輪菊(大菊)は咲くためにエネルギー(糖)をたくさん使用するので、フルブルーム(満開)時に実感値で差がはっきりとでます。

ちなみに糖を補う為に砂糖を水に溶かす方もいるようですが、砂糖の粒子は大きい為、花にとっては栄養として使えないとされています。むしろバクテリアの繁殖を増長させる可能性が高いので、砂糖を溶かすのは止めておいたほうが無難です。

また、切花栄養剤の多くには、抗菌剤も含まれている為水替えの頻度が少なくなるのもメリットの一つです。

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